社会で活躍するために必要な学び


by Kaichi-university

平成29年度 開智国際大学入学式 学長式辞(4月5日)


新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんのご入学を、私たち教職員・在学生ともにお待ちしておりました。桜が満開の美しい春の日に、ご来賓の皆様、保護者の皆様のご臨席を賜り、平成29年度の入学式を執り行うことができますこと、大変うれしく光栄に存じます。

ご家族の皆様、ご子息、ご息女のご入学おめでとうございます。晴れの日をお迎えになり、お喜びも一入のことと存じます。心よりお祝い申し上げます。

本学では、この4月より、教育学部と国際教養学部を新設し、本学の歴史に刻む新しい第一歩を踏み出しました。開智国際大学の元年です。新入生の皆さんは、教育学部と国際教養学部の第一期生として、大きな希望に胸を膨らませ、決意も新たに門をくぐられたことでしょう。
開智国際大学の大学名にふさわしく、昨年から、さまざまな国から学生たちを迎えておりますが、本年も、中国、ベトナム、モンゴル、カンボジア、ミャンマー、ネパール、スリランカ、ペルー、フィリピン、そしてもちろん日本からも新入生を迎えております。
開智国際大学の学生として、留学生の皆さんは、日本語を覚え、日本の歴史や文化を理解し、日本の地域社会に生活者として馴染むことにより、また、日本人の学生は留学生と席を同じくして共に学び合うことにより、そして日常のコミュニケーションを通して、様々な国の文化や生活を知り合うことにより、相互に理解を深め、援け合う心を培っていただきたいと思います。

本日は、皆さんの新たな目標に向かう歩みが始まる、出発の日です。高校時代とは全く違った学びの日々が始まります。高校では、ほとんどの授業は、学校で決められた時間割どおりに受けなければならなかったと思います。あまり得意ではない科目も取らなければならなかったことでしょう。ところが、大学では、決められた授業がいくつかはあるのですが、多くの科目を自分で選択します。授業をデザインするのは皆さん自身なのです。皆さんが自分で考えながら、自分の学びの枠を作っていきます。
大学では、なぜこのような方法で「学びの枠」を自分で決めるのでしょうか。それは、「考える」大人になるために、「自立できる」大人になるために、大学では個人の学びの自由を大切にしているからです。変化が激しく多様な価値観がぶつかり合う21世紀の社会では、過去の経験や事例が、以前ほど役に立たなくなっています。現状を分析し、目的や課題を明らかにし、自ら考え行動する力は、いま最も必要とされる能力です。何事も受けて立つ強靭な精神力、状況を見極める判断力、自分の意見を大切にしながらも環境に適応する柔軟な対応力、そして何事にも果敢に立ち向かう挑戦力が求められるのです。これこそは教育学部、国際教養学部に共通する本学の学びの礎であり、皆さんを育む力であり、オールラウンドな「人間力」の育成につながっています。

ところで、皆さんの中には、玄関や廊下に掲示してある「質実穏健」という文字に気づかれた方もいらっしゃるでしょう。「質実穏健」とは、本学の前身である日本橋女学校時代から110年以上受け継がれてきた「建学の精神」なのです。「飾らない真面目な姿勢で、人としての常識をもち、他人を思いやる優しさを育み、社会に貢献できる人」を育てていきたいという願いが込められています。それは、21世紀社会に必要とされる、人としてのあるべき姿であり、本学の学びの礎として、オールラウンドな「人間力」を育むのです。

本学は小さな大学ですが、幅広い分野に科目を設け、皆さんの様々な興味にこたえられる学びの機会を提供しています。この豊かな土壌を作るために、本学が創立以来大切にし、誇りにしているのは少人数教育です。先生と学生の距離が近く、お互いに名前で呼び合い、キャンパスでも挨拶を交わす声がよく聞こえてきます。教員だけではなく、職員と学生との距離の近さも本学の誇りとするところです。皆さんは、キャリア・モデルとして、先生や職員の皆さんから様々な生き方を学んでください。
私が卒業した大学は女子大ですが、本学と同様、小さな大学です。女性の先生の中にも、独身の先生、結婚して子供のいらっしゃる先生、子供のいらっしゃらない先生など、様々な生き方のモデルを見つけることができました。専業主婦の母の生き方が女性の生き方と思っていた私には、職業をもって生きる女性の生き方がまぶしく見えました。母とは異なる様々な生き方に大きな影響を受けました。私が今こうして仕事をもっているのは、学生時代の先生や職員の皆さんのキャリア・モデルのおかげだと思っています。皆さんも、本学の誇りとする少人数教育を大いに活用され、先生や職員の人たちとのつながりをしっかり作ってください。皆さんにとって、人生の大きな財産になるはずです。

皆さんは、将来の夢を語ることができますか? まだ、何も考えていない人もいらっしゃるかもしれませんね。例え、夢を見つけても、遠くから他人事のように眺めているだけでは夢は実現しません。夢の実現に向けて具体的な行動プランを立てて実践していかないと、夢は夢で終わってしまうのです。大学の4年間は、夢を作り、それを崩し、また積み上げて、皆さん自身のものにしていく過程だと思います。「学校は、何もしてくれない」「教えてくれなかったので、できなかった・・・」、皆さんは今までそんなことを口にしていませんか。うまくいかない原因を、すぐ他人のせいにしてしまうことはありませんか。 
今から50年あまり前の1961年に、ジョン・F・ケネディ氏はアメリカの第35代大統領に就任しました。若くて素敵なケネディ大統領に、当時高校生だった私は大いに憧れたものです。就任演説も一生懸命覚えました。演説の最後に、大統領は“Ask not what your country can do for you, ask what you can do for your country.”(国家があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国家に何ができるのかを考えなさい)と、国民に語りかけました。短い文章の中に、大きなメッセージが込められています。今日は、それを少し変えて、私は皆さんに次の言葉を送ります。“Ask not what your university can do for you, ask what you can do for yourself.”(大学が、あなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたがあなた自身のために何ができるのかを考えなさい)。
大学は、皆さんが自分で考え、自立するための場なのです。大学が何かをしてくれるだろう・・・と受身では、なにも得ることができません。夢の実現に向けてまずは挑戦してください。私たち教職員は喜んでお手伝いいたします。小さな大学です。いつでも私たちに声をかけてください。

幅広い教養を身につけ、奥の深い研究をし、課外活動にもチャレンジしてください。生涯にわたって信頼できる仲間も増やしてください。4年間の大学生活が、様々な対話と気づきを得る場として有意義で実り多いものとなりますよう祈念して、式辞といたします。

ご入学、真におめでとうございます。

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by Kaichi-university | 2017-04-07 13:58 | 学長メッセージ